スケッチブックと鉛筆

 

株式会社アクティオが提供する「Aktio Note」というWebsiteの中の熱帯夜さんの書くコラムに、毎月イラストレーションを描く事になりました。初回のお話しは、「息子の野球」というお話です、とってもジ〜ンとくる良いお話しです。今回は友人の息子がちょうど同じ年齢で野球もしているという事で、絵のモデルになって貰いました。なかなか良い感じにかけましたので、見て頂けるとうれしいです。

実は、今回は2種類の完成バージョンがあります。サイトに使われているイラストレーションと、少し書き込んだバージョンです。最初、描き込んだバージョンを完成品としたのですが、最初のラフの動きのあるバージョンをとっても気に入って頂いたので、そちらに寄せて描き直しました。しかし、最初のバージョンも個人的にはとても気に入っていましたので、ここで発表する事で日の目を見させてあげようかと思い掲載してみました。こちらです。

今回のillustrationは、まず、いつも使ってる画材、MOLESKINEのスケッチブックと、Faber-Castell の4Bの鉛筆で簡単なスケッチから始めました。

参考にしたのは、友人から借りた参考動画です。良いシーンで動画を止めて、その画面をみながら、先ほどの画材でさらさらっと、簡単にスケッチをはじめます。最初はウォーミングアップみたいな感じですから、細かい事は気にせず気持ちよく描きます。そのうちに書くべき所や、対象物の細かい素材や特徴なども頭に入ってくるので、だんだん絵にディテールが出てきます。そこまで来たら次のステップですね。

次の段階では、自分がその人やモノになりきって想像してみます。人物なら、脇の締まる感じ、掌の力具合、足の踏ん張り具合等、細かく体の箇所を想像してみて、もう一度細かく各箇所に目を向けて観察してみます。そういう所を気にしながら形を取ると「生きた線」とやつが描ける気がしています。

この段階まできたら、次に気をつけるのは、バランスですね。手や足、頭の大きさの形や全体のバランスを気にして描いてみます。

そして、形が取れたなら、少し冷静になって第三者の目で、描く対象物、もしくはモノが、

「ちゃんと立ってるか?」
「ちゃんと座ってるか?」
「ちゃんと寝てるか?」

など、対象物に、「重力を感じるか?」という事を気にして客観的に観察してみます。きちんと形が取れても、重力が感じられないと、見ていて安定しないし、なんだか変なものです。でも、これは自分の描く絵に対しての話ですので、全ての絵に正しいかどうかは分かりません。僕の描く絵の場合においては、結構重要なポイントかもしれません。

この辺の事を踏まえて、自分が資料の画像をみて感じた臨場感が伝わるように何枚か描いてみます。でも数を描けば良いってモノではありませんね。僕の場合は大抵は一枚目か二枚目が良い感じにかけますね。楽しく肩の力を抜いて描いているし、「よーし!なんとかウマく描いてやろう」という邪念も出てないので素直な線になるのかもしれません。

今回も、二枚ほど描いてこれでいいかなと言うのが出来ましたので、それを使ってデジタルでの作業に移ります。

まずはスケッチブックをスキャンして、鉛筆の線をパソコンに取り込みます。今回の様に鉛筆や、ボールペンなどのアイディアスケッチの線使わずに描く時も多いのですが、今回の様に、スケッチの線を取り込むと、理由は分からないのですが、何故か全体の雰囲気が柔らかく良い感じになる様な気がしているので、そうしています。
実際に、画面がそうなるのかどうかは分かりませんが、実際に描く自分の気持ちがそうなるというのが重要だと思います。モチベーションが上がるという事ですからね。

こちらの線は、最終的には使わず、全て削除してしまうのですけれど、今回の場合は、最初のラフの感じを出して欲しいという事でしたので、最終的にもう一度最初のスケッチの線を復活させて、画面にフィットする様にアレンジしています。

両方とも気に入ってます!モデルになってくれたちゅーた君ありがとねぇ〜!