少し前のお仕事になりますが、カワイ音楽教室 – 機関誌 「音のゆうびん vol.110」の表紙と、中面に「 かわいい、はいたつやさん」という、絵本を描きました。文と絵を担当しました。表紙の表裏を利用して一連のお話しとなる様にしました。かわいく描けたので、みなさんにも気に入って頂けると良いのですが。
最後に、この冊子には「表紙のことば」というコーナーがあり、表紙を描いた作家が、何か短い文章を書かなくてはいけないというルールがあります。短い文章ですが、頭を抱えながら、なんとか、アイディアを捻り出して書きました。下手くそな文章ですが、その時感じていた事を、子供達に向けて綴ってみましたので、よかったら読んでみて下さい。
表紙のことば
「無駄って素晴らしい」
ご飯を食べる事、洋服を着る事、屋根のあるお家でゆっくり安心して眠る事。その三つは「衣食住」といって、人間にとっては無くてはならないものです。その三つがあれば、なんとか人間は生きていけます。
しかし、生きているだけでは面白くありませんよね。生きて行くうえでは必要の無い「無駄」も人間にとっては、とても大切なのです。
たとえば、本を読んで色々な事を想像する事、花を見ていい匂いだな、綺麗だなって思う事。絵や音楽や映画をみて、何だか分からないけれど、涙が出そうになったり、うれしくなったり、感動したりする事。わんちゃんや、ねこちゃんをぎゅうっと抱きしめて、なんだか幸せな気持ちになる事。おとうさん、おかあさん、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒にいてほっとする事。
これらは、息をして、心臓を動かす為だけなら、あまり必要ではありません。「無駄」なものです。でも、その「無駄」さえあれば、僕らの毎日はとても楽しくなります。
そうです、「無駄」とは、とても素晴らしい事なのです。そして、「無駄」を楽しめるのは、地球上で人間だけなのです。と言う事は、「無駄」な事が、つまりは「人間らしさ」と言う事になりませんか?
あなたにとって大事な「無駄」な事って何なんだろう?ミッチーや、キャンディーや、ぴょんすけ達の大事な「無駄」って何だったのかな?毎日の生活の中で、あなたの大事な「無駄」が沢山見つかりますように。そして「無駄」を見つけたらそれを楽しんでくださいね。
ヒロミチイトでした。
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